

糖尿病はいろいろな合併症をおこしやすい病気ですが、中でも腎合併症(腎症)になる方が増えています。糖尿病の方が腎症になったら、どのように食事に気をつけたらよいのでしょうか。今回はそのポイントをお届けします。
監修:高松赤十字病院内科副部長 橋則尋 先生
糖尿病の方は、すでに「高蛋白低カロリー」の血糖コントロールの食事療法を行なっていることでしょう。それが糖尿病性腎症になると、「蛋白制限」「塩分制限」が加わってくることになります。
なぜ、腎臓が悪くなると蛋白質や塩分を制限しなければいけないのでしょう?。それは蛋白質を取りすぎると老廃物が溜まり、腎臓の負担になりやすいためです。また塩分の取りすぎは高血圧のもとになり、腎臓を痛める大きな原因になります。
食事療法を始める時期や食事内容に関しては基本的に主治医と栄養士の指導によって行なわれます。ここでは一般的な塩分と蛋白質の制限の目安をみていきましょう。
塩分は1日7g以下の摂取を目標にします。食品にはもともと含まれる塩分がありますから、1日分を7gより少なめに計量しておき、その範囲で食事をつくるようにするとよいでしょう。そのためにも、前もって味付けしてある加工食品などは避け、なるべく料理は手作りで楽しみましょう。
どの食品に何グラムの蛋白質が含まれているのか、塩分と比べて蛋白質はわかりにくいものです。下の表は一部の食品(80kcalに相当する量)に含まれる蛋白質の量を表しています。1日にとる蛋白質の目安ですが、糖尿病性腎症の場合は標準体重(※1)1kgあたり0.8g〜1.0gとされています。身長が158cmの人ならば44g〜55gが1日の目安(※2)になります。
しかしながら1回の食事で蛋白質をまとめてとったり、同じ食事ばかりからとると血糖値が高くなりやすいので、バランスよくとることが大切です。下の表にもあるように、それぞれの食品は大きく1〜6のグループに分かれています。中でも1と3のグループはそれぞれの食品(80kcalに相当する量)に含まれている蛋白質の量により、さらに細かく分かれています。これらのグループの食品とエネルギー調整食品を組み合わせて、朝食・昼食・夕食からほぼ均等に、バランスよく蛋白質をとるようにしましょう。
※1/標準体重(kg)=22×(身長(m)×身長(m))
※2/22×(1.58(m)×1.58(m))≒55(kg)
55(kg)×0.8〜1.0(g)=44〜55(g)
「面倒だから、いっそあまり食べないでおこうかな」は禁物です。単純に肉や大豆などの蛋白食品を減らすと、1日に必要なカロリーが不足し、食べ物のかわりに筋肉を燃やすため、筋肉の痩せとともに腎臓の苦手な「老廃物」が出やすくなるのです。
細かい食事内容に混乱される方も多いと思いますが、食事療法も立派な治療のひとつ。また量を加減すればほとんどの食品をいただくことができます。成分表を手元に置きながら、身近な食べ物から少しずつ数値を覚えて、食事療法に慣れていきましょう。
4種の神器をそろえて 蛋白質制限食への近道は、なによりも「慣れること」。「腎臓病用食品交換表」「電卓」「ノート」「デジタルはかり」の4種の神器をそろえて、ごはんや味噌汁、食パンなど、身近な食材からカロリーと蛋白量を覚えていきましょう。また蛋白量が調整された治療用特殊食品は食事療法の大きな味方。上手に活用してはいかがでしょうか。 |
◆「食品の分類」と「80kcalに相当する量(g)/それに含まれる蛋白質(g)」
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参考資料:「糖尿病性腎症の食品交換表」日本糖尿病学会編(2001年)、「五訂食品成分表」女子栄養大学出版部(2003年)
※表作成:NPO法人腎臓サポート協会